死亡退職金は相続税の対象となるのか⁉
コラム
2022年7月15日 金曜日
会社員の方が死亡した場合、死亡後に死亡退職金が相続人に支払われるケースがあります。
「この死亡退職金は相続税の対象になるのか」という質問がよくあります。
そこで今回は死亡退職金と相続税の関係について説明していきたいと思います。
【結論】
先に結論から申し上げますと、死亡退職金は相続税の対象になります。
死亡退職金は死亡後に相続人の請求により退職金を受け取るものであり、死亡した方本来の相続財産ではないものの、相続税法において相続財産とみなされることとなります。
(相続税法)
第三条 次の各号のいずれかに該当する場合においては、当該各号に掲げる者が、当該各号に掲げる財産を相続又は遺贈により取得したものとみなす。この場合において、その者が相続人(相続を放棄した者及び相続権を失つた者を含まない。第十五条、第十六条、第十九条の二第一項、第十九条の三第一項、第十九条の四第一項及び第六十三条の場合並びに「第十五条第二項に規定する相続人の数」という場合を除き、以下同じ。)であるときは当該財産を相続により取得したものとみなし、その者が相続人以外の者であるときは当該財産を遺贈により取得したものとみなす。
二 被相続人の死亡により相続人その他の者が当該被相続人に支給されるべきであつた退職手当金、功労金その他これらに準ずる給与(政令で定める給付を含む。)で被相続人の死亡後三年以内に支給が確定したものの支給を受けた場合においては、当該給与の支給を受けた者について、当該給与
【退職金に含まれるもの】
退職金に含まれるものとは、支給される金品の名義が退職手当金等と表示されていないものであっても、実質上退職手当金等に該当するものについては退職金として取り扱います。
【弔慰金の取り扱い】
《弔慰金とは》
被相続人の死亡により相続人その他の者が被相続人の雇用主から受ける弔慰金、花輪代、葬祭料のこと。
弔慰金の内、次の金額を超える部分については退職金に該当することになります。
A 業務上の死亡の場合
・普通給与の3年分の相当額
B 業務上死亡でない場合
・普通給与の半年分相当額
【死亡退職金の非課税規定】
死亡退職金については保険金同様に非課税規定が設けられています。
計算式は保険金同様以下のとおりです。
500万円×法定相続人の数
※この場合の「相続人」とは、民法上の相続人をいい、相続を放棄したもの及び相続権を失ったものは含まれません。
【小規模企業共済の共済金】
小規模企業共済契約者の死亡により遺族が受け取る共済金については退職金に含まれます。
個人事業主などの中小企業者については、自分で退職金を作るために小規模企業共済に加入する方も少なくありません。
小規模共済の掛け金は所得税上でも全額所得控除の対象になり、また、共済金を分割で受け取る場合は公的年金扱いに、一括で受け取る場合は退職金扱いにもなることから節税効果も見込めます。
退職手当金については生命保険金同様に非課税規定があり、生命保険金とは別枠で利用できるため個人事業主等については大きな節税効果が見込めます。
まだ加入されていない方は検討してみてはいかがでしょうか。
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