被相続人が老人ホームに入居していた場合の相続税における小規模宅地の特例について

コラム

2020年6月22日 月曜日

以前にも解説しましたが、相続税における小規模宅地の特例には「特定居住用宅地」というものがあります。

被相続人が亡くなる直前に住んでいた自宅の敷地、つまり「被相続人の居住の用」供されていた宅地の評価額が80%減額(330㎡まで)できるというものです。

 

しかし、その被相続人が相続開始時点で老人ホームに入居していた場合はどうなるでしょうか。

要点のみ解説します。

 

結論からいいますと以下の要件を満たす場合は被相続人が亡くなる直前まで老人ホームに入居していたとしても「被相続人の居住の用」に供されていた宅地と認められ小規模宅地の特例が適用可能となります。

 

【適用可能要件】

1 被相続人が相続開始の直前において要介護認定もしくは要支援認定等を受けていたこと。

2 被相続人が老人福祉法等に規定する老人ホームに入居していたこと。

3 被相続人の居住の用に供されなくなった後に、事業の用又は新たに被相続人等以外の人の居住の用に供されていないこと。

 

(要介護認定、要支援認定等について)

①要介護認定(介護保険法第19条1項)

②要支援認定(介護保険法第19条2項)

③介護保険法施行規則第140条の62の4第2号に該当

④障碍者支援区分の認定(障碍者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律第21条第1項)

 

《相続人の要件》

・配偶者 要件なく特例の適用がうけられます。

・被相続人と同居していた親族 相続開始から申告期限までにその建物に居住しており、かつ、申告期限までその宅地を所有している場合。

・被相続人と別居していた親族 被相続人に配偶者や同居の親族がおらず、かつ、相続人もしくは相続人の配偶者に相続開始3年以内に持ち家がない場合。

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