相続税における養子の取扱い

コラム

2020年11月12日 木曜日

今回は、相続税における養子の取扱いについて確認していきます。

 

【養子の種類】

まずは養子の種類について説明します。

 

・普通養子縁組(普通養子)

養子が実親との親子関係を存続したまま、養親との親子関係を作る制度。

家の跡継ぎを存続させるための制度。

一般的に養子と呼ばれるもの。

戸籍上の続き柄は「養子(養女)」と記載される。

 

・特別養子縁組(特別養子)

戸籍上実親との親子関係を断ち、養親が養子を実子と同じ扱いをする制度。

戸籍上の続き柄は「長男(長女)」などと記載される。

 

【相続権・相続分】

実子と同様に相続権及び相続分を有する。

 

(身分が重複した場合の相続分)

・祖父母が孫を養子にし、子が先に死亡していた場合、孫は養子としての相続分と子の代襲相続人としての両方を

合算した相続分を取得する。

 

・兄が独身で子もおらず、親も先に亡くなっていた場合、兄が弟を養子にし兄が死亡したとしても、弟は養子とし

ての身分を取得しているため兄弟姉妹としての相続分は発生しないこととなる。

 

 

【代襲相続】

相続開始以前に、相続人となるべき者が死亡その他の事由(相続結核・排除)で相続権を失っている場合、被代襲

者の直系卑属が被代襲者に代わって同順位の相続人となる。

これを代襲相続という。

 

例1

父 → 子A → 子Aの養子

 

父が死亡した際に、相続人である子Aが先に死亡してしまっているときは、子Aの養子が代襲相続人となる。

 

例2

父 → 養子A → 孫B(養子Aが養子縁組した後に出生)

 

父が死亡した際に、相続人である養子Aが先に死亡してしまっているときは、養子Aの子である孫Bが代襲相続人

となる。

 

例3

父 → 養子A → 連れ子B(養子Aが養子縁組する前に出生)

 

父が死亡した際に、相続人である養子Aが先に死亡してしまっているが、養子Aの連れ子Bは養子Aが養子縁組す

る前に出生した子であるため、代襲相続人とならない。

 

【相続税の基礎控除における相続人数】

相続税の基礎控除額の計算式は以下のとおりとなります。

 

3,000万円+600万円×法定相続人の数

 

亡くなった方に養子がいる場合には「法定相続人の数」に含まれる養子の数が次のようになります。

 

・被相続人に実子がいる場合・・・1人

 

・被相続人に実子がいない場合・・2人

 

※特別養子縁組による養子となった者は実子とみなされます。

 

つまり、養子の数を増やすことによって、不当に相続税の基礎控除額を大きくするということに制限を設けたこと

になります。

 

【相続税額の加算】

相続や遺贈により財産を取得した人が、その被相続人の一親等の血族(一親等の血族である子が被相続人の死亡以

前に死亡し又は相続権を失ったため、その子に代わって相続人(代襲相続人)となった孫等を含みます。)及び配

偶者のいずれでもない場合には、その者の相続税額にその相続税額の100分の20に相当する金額を加算(2割

加算という)します。

 

例1

父 → 養子A

養子Aが孫養子でない場合は2割加算なし。

 

例2

父 → 実子A → 孫B

父の養子が孫B

相続人は実子Aと孫養子のBになりますが、子の場合孫養子Bは2割加算となる。

 

例3

父 → 実子A → 孫B

父の養子が孫B

相続人は実子Aの代襲相続人である孫Bとなるが、2割加算なし。

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